基礎編

「買わせる文章」とは、「自分本位」ではなく、「相手本位」で書いた文章のことです。
どんな商品・サービスであれ、ターゲットの心理心情を理解した上で、価値を感じてくれるような文章を書かなければなりません。それが「相手本位」の文章です。

 

「買わせる文章」を書く上で重要なポイントは、次の2点です。

 

@自分の商品・サービスを熟知している事
Aターゲット(お客様)を熟知している事

 

手順としては、

 

1、商品・サービスの特徴を徹底的に洗い出す

特徴を洗い出す最大の目的は、「すべての特徴を書くため」ではなく、「強力なウリ、すなわち、訴求ポイントを見つけるため」です。

 

どの特徴を「強力なウリ」にするかは、ターゲットのニーズや企業戦略など様々な側面から検討する必要があります。「強力なウリ」が明確になると、結果の出やすいセールス文が書けるようになります。いくら素晴らしい商品でも、その魅力が読む人に伝わらないと商品は売れません。

 

2、商品・サービスのターゲットを決める

「買わせる文章」を書くときは、その商品・サービスを届けるターゲット(お客様)を強く意識する必要があります。

 

本当に必要とする人に商品・サービスを届けるためには、ターゲットを明確にする必要があります。

 

ターゲット設定をする際には、お客様を代表する架空のモデルを設定する方法が有効です。マーケティングでは、このモデルを「ペルソナ」と呼びます。

 

重要なのが、ペルソナの愛読書などから、ターゲットが好んで使う(ターゲットの心に刺さる)言葉や表現を収集することです。

 

3、ターゲットのニーズをつかむ

ターゲットのニーズは、多くの場合、その根っこに、何かしらの「不」があります。この「不」を知ることが、ニーズをつかむ近道となります。

 

例えば、次のような「不」があります。

 

不安、不満、不快、不便、不具合、不平、不自由、不足、不良、不振、不信、不公平、不愉快、不明瞭、不健康、不全、不人気、不出来、不利益、不可解、不合格、不安定、不平等、不幸

 

「不」が見えれば、「ニーズ」も見えてきます。また、ニーズが見えると、今度は訴求方法が見えてきます。

 

ターゲットのニーズをつかむ作業は、商品とターゲットの接点(訴求ポイント)も見つける上で重要です。

 

4、商品のベネフィットを考える

ベネフィットとは、あるお客様が、その商品・サービスから得られる恩恵や利益のことです。商品の特徴ではありません。ベネフィットには、次の2つの種類があります。

 

「機能的ベネフィット」は、その商品を所有したりサービスを利用したりすることで得られる機能面での恩恵のことです(例えば、使いやすい、速い、多い、高い、強い、大きい、長い、うまい、頑丈、高性能など)。

 

「情緒的ベネフィット」は、その商品を所有したりサービスを利用したりすることで得られる感情面での恩恵のことです(例えば、優越感、安心感、体験、爽快感、至福、勇気、癒し、快楽、楽しい、克服、思い出など)。

 

2種類のベネフィットは連動していて、機能的→情緒的となりますが、商品のウリやターゲットのニーズによって「機能的」と「情緒的」のどちらにウェイトを置くかは変化します。

 

読む人の興味を引くためには、洗い出したベネフィットに優先順位をつけて、特に強力なベネフィットで訴求するのが正攻法です。

 

5、キャッチコピーを作る

キャッチコピーと言うと、広告のイメージが強いかもしれませんが、ウェブや企画書のタイトルにもキャッチコピー力は求められます。

 

読む人の興味を引くキャッチコピーを付ける能力は「買わせる文章」を書く上で、極めて重要です。

 

6、商品の説得材料を盛り込む@(科学的な根拠・実績・お墨付き)

商品を売るためには、読む人が納得できる材料を盛り込む必要があります。次の3つが有効です。
@科学的な根拠を盛り込む
Aデータ(実績)を盛り込む
B権威のお墨付きをもらう

 

データがない場合は、本などから根拠になりそうな記述を持ってくる方法もあります。

 

ユーザーから集めたデータは、商品・サービスの信ぴょう性そのものです。具体的な数字で結果を示すことではじめて納得する人もいます。

 

教授、学者、経営者、文化人など、その道の権威やスペシャリストにいただいたお墨付きは、商品の信頼性を高めてくれます。また、好感度の高い著名人の推薦にも不思議な説得力があります。なお、テレビや新聞、ラジオなどのメディアに出演した(掲載された)実績も、商品の説得材料として有効です。

 

7、商品の説得材料を盛り込むA(お客様の声)

実際にその商品を利用したお客様の体験談(お客様の声)であれば、抵抗感なく受け入れることができます。

 

「お客様の声=第三者による客観的な評価」だからです。

 

どうよかったのか、利用前と利用後では何が変わったか、具体的な言葉を引き出せるよう、アンケートなどの質問項目に工夫を凝らしましょう。

 

8、無意識下の問題やニーズに気付かせる

無意識下に問題やニーズを抱えている人に対しては、自覚を促す言葉が有効です。

 

「買わせる文章」を書く際には、まず、ターゲットが問題やニーズを自覚しているかどうかのリサーチが必要となります。自覚が弱いようであれば、序盤で自覚を促すアプローチをしてみるのも一つの手です。

 

9、商品の物語を語る

物語には理屈を超えて、人の感情を揺さぶるパワーがあります。その効果は、@感情が動きやすい。A記憶に残りやすい。B口コミされやすい。などがあります。

 

スタート地点とゴール地点のギャップが大きいほど、物語のパワーも大きくなります。つまり読む人の感情が動きやすくなります。

 

モノやサービスが飽和状態にある日本市場では、物語で差別化を図る方法がたいへん有効です。

 

10、その他のベネフィットを追伸する

スペース的に余裕がある場合は、その他のベネフィットを追伸することで、購入の確率を高めることができます。書き手が「こんな情報を盛り込んでも仕方がない」と勝手に決めつけてはいけません。どんな情報が購入を迷っている人の後押しになるかは分からないからです。

 

11、商品の保証・アフターサービスを書く

保証やアフターサービスは、消費者が、その商品・サービスを購入するかどうかの判断材料になり得ます。

 

保証やアフターサービスは、「この商品には絶対の自信を持っている」という企業の自信や、「お客様と末永くお付き合いさせていただく」という覚悟の表れでもあります。

 

ターゲットの心理心情を見極めたうえで、必要な保証やアフターサービスを提示しましょう。

ホームページ作成、マーケティングは、

 

 

(参考図書)
「買わせる文章が誰でも思い通りに書ける101の法則」山口拓朗著 明日香出版社

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